実体験から学ぶ、山での湿気対策

山暮らし

山の「湿気」は半端じゃないです!

山暮らしというと、水の確保や冬の寒さを心配する人が多いと思います。私もそうでした。

ところが実際に暮らしてみると、かなり重要だと感じるのは湿気対策です。

山は梅雨の時期になると、湿度が80%を超えることが普通にあります。
正直、最初に湿度計が90%を超えた時には、「この湿度計、壊れちゃった?」と湿度計の方を疑いました。

しかし、昼間でも薄暗くなるほど濃い霧に包まれ、雨雲の中にいるような、体に霧吹きをかけられているような、体感としてのジメっぽさに加え、

あちこちにキノコが生えだし、職場では雨漏りしていた天井からキノコが生えているのを見て、「湿度計は正しい。」と確信しました。

そうです。山の湿気は都会とはレベルが違うのです🍄

薪に生えちゃったキノコ
畑に生えちゃったキノコ

2015年4月16日、我が家は山に引っ越してきました。
そして、山に引っ越してきたその年は、とても雨の多い年でした。

引っ越して来てしばらくすると、雨が降り始め梅雨に入りました。
そして1カ月以上、ず~~~~~~~~~~っと、雨でした。

しかも、その年の梅雨明けは7月下旬で、3カ月近くもジメジメした天気の中、降ったり止んだりを繰り返し、雨が降っていなくても、曇りだったり、霧雨で雲の中にいるような感じの毎日でした。

洗濯物がぜんぜん乾かず、まとわりつくような空気で、机とか床とかに触るとしっとり濡れました。

そしてある日、「今日は生暖かいな~~」と感じたら、恐ろしいことが起こったのです。

なんと、新しい新居が、一斉にカビにつつまれてしまったのです!!!

ログハウスの壁から、家具や収納の中まで、一斉にカビが生え、革製品や衣類にも被害が出ました

大大大ショックです(涙)

どこにでも生えてきちゃうキノコ

うちの夫は辰年生まれの雨男で、
今までも、ここぞというタイミングではいつも雨が降り、
しかも、引っ越しとか降らないでほしい時に限って、台風などの嵐と一緒に雨が降るタイプで、
天気予報で晴れと言っているのに、一極集中で夕立がくることも多々あって、
夫がごきげんでバイクで出かける時は、だいたい夕立とともにずぶぬれで帰ってきて、

私の中では(ムリムリですが)竜神様に愛されているキャラとして認識されていました。

なので、山に引っ越して来て雨が降り続いても、「竜神様が歓迎してくれている!」と前向きに解釈していました。

しかし、あちこちがカビだらけになっているのを見て、もう頭は真っ白です。

「えっ、歓迎されていない?」
「もしかしてタタリ?」
「竜神様になにか捧げものをするべき?」
「生贄が必要??」

昔の人が神社で神さまに祈りをささげた気持ちが、やっとわかったような気がしました。(多分)

山の天気は、人智を超えています。
祈ることしかできないときもあります。

しかし、よりよい生活のために、人間にできることもあるはずです。

この記事では、標高600mの山に10年以上住んで学んだ湿気対策についてまとめました。


山は湿気がこもりやすい

山間部は雨が多く、周囲を森林に囲まれているため湿気が抜けにくい環境です。

特に梅雨や長雨の時期は、家の中まで湿気が入り込みます。
雨雲の中にいる感じです。

一方で冬はかなり乾燥します。(関西地域です。)
わが家では薪ストーブを使うため、湿度は30%くらいまで低くなり、部屋干しの洗濯物がとてもよく乾きます。

つまり、山の湿気対策は主に春から夏にかけてが一番重要です。


実際に困ったこと

ログハウスの壁がカビた

建てたばかりのログハウスの壁にカビが生えた時は、大ショックでした。
外壁は、キシラデコールのクリアを塗ってもらっていたのですが、玄関の外側がカビていました。

木目が分かるようにクリアをぬってもらったので、カビも目立ってしまい、玄関周りが黒ずんでしまっていました。

2~3年で塗り替えが必要とは聞いていましたが、まさか住んで2カ月ちょっとでカビるなんて大ショックでした。(施工管理の人に相談しました。)

また、部屋の中の壁にも、うっすらと青いカビがあちこちに生えていました。
アルコールでふきとったりして、カビの処理に追われました。

家具や収納にカビが生えた

壁際に置いていた家具の裏側や下の方は、特に湿気がたまりやすく、気づいた時には一面にカビが発生していました。

箸とかをいれていたカゴとか、台所のテーブルとか椅子の足も、カビだらけです。

また、本や雑誌・写真などは、カビたうえに、湿気を吸ってふにゃふにゃになって、元に戻りません。

合板でできた棚などは、表面がカビて青白くなり、中はふにゃふにゃになって膨らみました。

ひどいものは修復不可能のため破棄しました。

洗濯物が乾かない

長雨が続くと洗濯物がまったく乾きません。生乾きの臭いが気になることもあります。

濡れた洗濯物を部屋に置いておくと、さらに湿度も上がってしまいます。

1~2日ならいいのですが、1カ月以上つづくと憂鬱になって、心までカビてきそうになりました。

布団が湿っぽい

天日干しできない日が続くと、布団もなんとなく湿った状態になります。
うちは2階建てで、湿気は1階の方がひどく、2階は比較的マシでした。
なので、カビてほしくないものは、なるべく2階に移動させました。


うちの除湿対策

除湿対策、いろいろしました。

・「炭」や「除湿剤」を棚の中などに置きました。除湿剤には、すぐに水が溜まりました。

・室内のログ壁や天井に撥水性の高いワックスを塗りました。保護もしてくれますし、汚れた時の掃除も楽になりました。(床はもともと蜜蝋をぬっていたので水をはじいてくれてカビませんでした。)

ログハウスの外壁のカビは、一旦キシラデコールの塗料を漂白剤ではがして、カビを除去してから、オスモカラーの防カビ材(ウォーターレペレント)を下地にぬり、クリアー塗装しなおしました。

引っ越しの片付けも終わっていないのに、カビの処理までして、もう大変でした。

わが家で一番役立ったのは除湿機

いろいろやった湿気対策で、最も効果があったのは除湿機でした。

山に来て初めて除湿器を買ったのですが、どんどん水がたまって感動ものです。
ゴーーーーーッと、結構な音がしますが、カビで泣きそうな私にとっては、頼もしい雄たけびのように心地よく心に響きました♪

すごく除湿してくれるし、洗濯物は乾くしで画期的で、
1.5畳ほどの脱衣所に置いて、洗濯物を乾かしたら一晩で乾いて、文明のすばらしさを感じました。

これまでに3台使っています。
山では除湿器は必需品だと思います。

初代:コンプレッサー式除湿機(約12,000円)

1日6Lほど除湿できるタイプでした。
結構大きくて場所を取りましたが、

  • 洗濯物がよく乾く
  • カビが減る
  • 電気代も比較的安い

と大活躍♪しかも10年使えました。

ネットで12000円で買ったのですが、ホームセンターで同じものが9000円で売っていました。
でもネットで買ったらすぐに届いたので、とても良い買い物だったと思います。

↓私が買った当時は6L/日でしたが、今は7L/日の除湿ができるようになったみたいです。

2台目:小型除湿機(約8,000円)

10年目で初代除湿器が壊れたので、2台目を検討しました。

「今度はコンパクトなものがいいな。」

と思って、ダブルペルチェ式でコンパクトなものを選びました。
値段もお手頃でレビューも良かったため、1日3.5L除湿するタイプを購入しました。

確かにコンパクトで置き場所には困りませんでしたが、力不足で洗濯物はぜんぜん乾きませんでした。

除湿器2代目&初代

押し入れとか省スペースで使うにはいいかもしれませんが、うちでは力不足でした。(失敗)

3台目:コンプレッサー式除湿機(約15,000円)

現在使っているのは1日12L除湿できるタイプです。

初代と同じコンプレッサー式ですが、除湿力が初代の倍あり、更にサイズがコンパクトだったので購入しました。

ですが実際に使ってみると、初代が一晩で洗濯物が乾いていたのに比べ、この機種は性能は倍なのに、一晩では洗濯物が乾きません。

また、除湿した水タンクの大きさは説明書に2Lと書いてありますが、実際には1.5Lくらいしかありませんでした。

除湿器3代目

除湿した水は、付属のホースで洗濯機の排水口に流しています。


山暮らしならコンプレッサー式がおすすめ

除湿機には、

  • コンプレッサー式(おすすめ:夏・梅雨、電気代安め
  • デシカント式(おすすめ:冬の結露、静音性重視、電気代高め)
  • ハイブリッド式(おすすめ:1年中、衣類乾燥重視、電気代高め)
  • ダブルペルチェ式(おすすめ:押し入れ・トイレなどの狭い空間。除湿力低め)

などがあります。

わが家の場合は、湿気対策が必要なのは主に春から秋。
冬は乾燥し、薪ストーブも使うため除湿機は使いません。

そのため、電気代が安く、夏に除湿能力が高いコンプレッサー式が一番合っていました。


除湿能力はケチらない方がいい

実際に使ってみて感じたのは、
「除湿能力が高いもの」と「信頼できるメーカー」を選んだ方が良いということです。

空間の広さにもよりますが、能力の低い機種を選ぶと、山の湿気には太刀打ちできません。

私の経験では、

  • 3.5L/日クラス → 能力不足
  • 6L/日クラス以上 → 実用的

という印象です。

あと、いろいろな電化製品を使っていて思うのは、信頼できるメーカーがいいということです。

今使っている除湿器は、昨年買ったばかりですが、もうメーカーがなくなっているみたいです。

電化製品は初期不良があり、当たりハズレがあります。
交換や破棄にもお金や手間がかかりますし、メーカー保証やカスタマーセンターが機能していないメーカーは、やめておいた方がいいと感じます。

山では修理に出すのとかも大変なので、国内メーカーを購入した方が、保証やアフターサービスが安心だと感じます。


洗濯機選びも湿気対策の一つ

濡れた洗濯物を部屋に干すだけで、湿度が上がってしまうので、いっそ乾燥機を導入するのもいいと思います。

山暮らしでは雨量によって水不足になることもあるので、節水&乾燥機付きの洗濯機にすれば、一石二鳥です。

もし今から選ぶなら、節水性能が高く、乾燥機能も使えるドラム式洗濯機がおすすめです。

長雨の時期は洗濯物が乾きにくいため、乾燥機能はかなり助かります。

ドラム式洗濯機デビューした友人が、
「夜洗って、朝には乾いているから、毎日同じ服が着れる。しかも干さなくていいから楽!」と喜んでいました。

一昔前は、ドラム式はあまり汚れが落ちないイメージでしたが、今は温水で洗ったりもできて、汚れも良く落ちるようです。

「いいなあ~。うちもドラム式洗濯機欲しいなあ~」と期待が高まります。


我が家でドラム式洗濯機が設置できなかった話

わが家でも、昨年縦型洗濯機が壊れた際に、ドラム式への買い替えを考えました。

毛布とかカーペットも洗える10キロ以上で、節水第一で、ふろ水が使えるタイプを探しました。

洗濯パンのサイズ(うちは60×80㎝)を測り、電気屋さんで相談して購入したのですが、
実際に設置に来てくれた工事の方に見てもらうと、設置できませんでした。

洗濯機の脚の位置と排水口の位置が重なっていて設置すると、洗濯機の重さで排水口部分が割れてしまうといわれました。

わざわざ街中の電気屋さんに行って相談注文し、配送を2週間も待ったのに設置できず、
でも送料などはかかり、返品手続きも大変でショックでした。

洗濯パンの大きさだけではなく排水口の位置も確認が必要だと痛感しました。

排水溝が角にあって、洗濯機の足がのってしまう。

洗濯機の設置がうまくいかず、洗濯ができない日が続き、洗濯機選びもなんかもう疲れてしまって、
結局その時は乾燥機は諦めて、節水できるタイプの従来通りの縦型洗濯機を購入しました。

新しい洗濯機は、
「穴なし槽」なので清潔・節水ができるので、乾燥機がない以外は満足しています。
(以前使っていた10キロ洗濯機は、1回130Lの水が必要でしたが、この洗濯機は10キロ102Lの水でいいようです。)

しかしながら、今はどんどん新しい商品もできてきて、ドラム式洗濯機もコンパクトに、また節水タイプなっているようです。

後日、ニトリで12キロのドラム式洗濯機を見つけました。
コンパクトでうちにも置けるサイズで、12キロも洗えて、乾燥もできるし、節水機能も高いし(水68L)、値段も安い!!

今回は乾燥機までは手が届きませんでしたが、また次の機会に、乾燥機付き洗濯機にデビューできたらと思います。


山暮らしでは湿気対策も重要なインフラ

山暮らしというと、水不足や寒さばかりに目が向きがちです。

しかし実際には、湿気対策はかなり重要です!

もし山に家を建てるなら、下記の導入をおすすめします。

  • 床下を高くする。(うちは50センチから90センチに変更しました。)
  • 家の周りにU字溝を設置する。(うちは設置しなかったので、水はけが悪かった。後で夫が掘りました。)
  • 雨どいを付ける。(うちは設置していなかった。後で自分で付けました。)
  • 軒は広い方がいい。サンルームがあれば尚良し(デッキにも屋根があったほうがいいです。うちにはないので、劣化が早いです。)
  • ペアガラスにする。(うちはすべてペアガラスの為、結露がなく助かります。)
  • 薪ストーブを設置する。(最初は知りませんでしたが、薪ストーブを使うと、家全体を除湿できます。)→薪ストーブを設置した記事はこちら

建てた後での対策としては、

  • 風通し良くする。(こまめに家の周りの木の選定や草刈りをする。)
  • デッキや屋根、樋(とい)のコケやゴミはこまめに取る。

カビや湿気で、私のように痛い目に合う前に、大切な家屋が傷んでしまう前に、対策をしてもらえたらと思います。

これから山暮らしを始める方の参考になれば嬉しいです。

雨上がりの山

雨上がりの山は、とても壮大です。

天空に広がる雲が、いつもより低く近い位置を、風に乗っていきおいよく流れていく様には、畏敬の念をいだきます。

山から雲が立ち昇る様は、まるで竜が天に昇っていくようです。

昔、テレビで見たモンゴルの映像を思い出します。

「大水も大雨も大風も大雪もある。

人も家畜も、死ぬこともある。

でも、天気が良ければ、それで満足だよ。」

そう言って笑っていたモンゴルのおじさんの気持ちが、山に住んで、分かったような気がします。

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